落水荘図を描くまでのストーリー
若冲の水墨画をきっかけとして
2006年、東京上野で伊藤若冲の蒐集家であるジョー・プライスコレクション展にて若冲が描いた鶴の水墨画を目の当たりにしたことから、それまで水墨画と言えば仙人に遭遇しそうな霧のかかった山や渓谷のイメージしかなかったのがその確固たる古い固定概念をいとも簡単にぶち壊され、色褪せることなく魅力的でとても身近なものへと衝撃的に大きく変わったのでした。
筆とコンテ表現の類似点
筆と墨で勢い良く一気に描かれた鶴のボディラインのそれは自分が美術学生時代に何度も何度も繰り返し描くことで漸く使いこなせるようになったチャコールのコンテを使い1分という制限の中、一気呵成に描いたモデルの動きとかたまりをとらえる線を思い出させてくれたのでした。
筆先の腹全体を使って面を表現し、筆先の突端だけで描く細い線で形を表現する水墨画は正にコンテや木炭を使って描く、クロッキーやデッサンと基本的な技法は同じであると、だからいつか5mm角のコンテ同様に筆を使いこなせるようになれば何でも描くことができると閃いたことを今でもハッキリと覚えています。
水墨画を習いはじめる
それから2年後の2008年秋、佐賀は鍋島で産まれた葉隠聞書を後世に残すプロジェクトをはじめたことをきっかけにあるひとりの水墨画家と出逢い、その方の描く水墨画作品を拝見し、若冲の水墨画を観た時と同じ衝撃を受け、「もう一度、絵を描いてみたい」と言う、自分がこの世に生を受けて純粋に1番全うしたかった気持ちがもう一度目を覚まし、水墨画を学びはじめたのでした。
フランク・ロイド・ライトへの感謝
そんな自分にとって若かりしジョー・プライスをNYの古美術商に連れて行って伊藤若冲の葡萄図と引き合わせたフランク・ロイド・ライトがいなければ墨絵アーティストとして活動する今日の自分はなかったという敬意と感謝の意を表して彼が自然と融合させて建築した落水荘を水墨画の技法で描かせていただきました。
落水荘図
Falling water (homage to F.L.W)
2017
Ink and light colors on cotton paper
540 × 340
世界遺産の建築物
アメリカ、ペンシルバニアはピッツバーグの百貨店経営者エドガー・カウフマンの邸宅として1936年に建てられ、かのアインシュタインやチャップリンも訪れ、今なお世界遺産として現存するこの落水荘にも生あるうちに1度足を運んでみたい場所のひとつですね。
関連情報
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“SUMIeMOTION” is SUMI-e art project by Hideyuki Kawamura, SUMI-e Artist. We are introducing our art works, which is merged with our traditional art of “SUMI-e” that was brought back with ZEN from China and developed in its own way in Japan and a welling of new “eMOTION”, from Chiba to all over the world.
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