墨絵アーティストのニューヨーク旅行記④
JFKからのBROOKLYNへ篇
ここまでとてもスムーズだったのがイミグレ手前で無言の待ち時間約30分、なんだかんだと通過と荷物の受取に1時間以上かかる。
さあ、まずは冷静に空港の外へでて灰皿を探し、至福の一服。
30年前、はじめて降り立った時と同じなんとも言えない孤独感を彷彿させるグレー空なニューヨーク。
早速Uberアプリから車を手配。10分もたたないうちに指定されたナンバーの車が到着、チャイニーズ系アメリカンの同年代くらいのドライバーと軽く笑顔をかわし乗車、するとUberのアプリ上にこのドライバーのプロフィールと評価が日本語で表示され、なんかほっと安らぐ。
目的地はオーダーした際にすでに伝わっているので行き先を伝えることも着いてから財布をだして支払う必要も無く、(チップも後からアプリで払えました)ほんと便利な世の中になったものだと関心このうえなし。
時差ボケ解消
ブルックリンでお世話になる素敵な日本人ご夫婦宅に到着し、仮眠をとってからその日の予定に出かけようとも思ったのですが寝ないでこのまま軽く運動し、食事をしっかりとり、夜早めに寝たほうが時差ボケ解消になるとアドバイスをいただいたので眠らずそのままギャラリーに歩いて向かうことにしました。
そこからギャラリーまで徒歩で約30分とGoogle mapで確認し、それを頼りに足をすすめ、途中見つけた日本レストランで昼食(深夜食?)と、いったい朝自宅をでてから睡眠をはさまずで何回目の食事だろうという余計なことは考えず、これもまた時差ボケ解消法のひとつとして理性にまかせてLUNCH BOXをオーダー。
「Rice or Noodle?」と聞かれたので、えっ麺がついてくるのと思い「Noodle please.」と答え、出てきたのがこのお弁当。これでライス頼んでたらアボカドロールとお米かぶってる~と吹き出しそうな面白さに心が少し和む。にしてもこのスペースに2種類ののシューマイ(中身不明)が1個ずつというセンスにもちょっと心がなごみましたね。これで確か12ドルくらい。
ギャラリーでのショック
記念すべきニューヨーク到着後の初の食事を終え、また歩き、暫くして無事ブルックリンのギャラリーに到着。ここに自分の作品が展示されているかと思うと少し胸を踊らせながらなかにはいり、まず驚いたのはその建物全体の広さ。アメリカはひとつひとつのスケール基準がやはり日本に比べたらでかいと同時にこんなに天井の高いスペースであればそれなりに大きい絵じゃないと展示映えしないだろうなという心配がよぎり、残念ながら見事的中。自分の作品は全紙サイズの絵をお軸に仕立て1810mm×700mmというサイズだったので他に出展されているアーティストの方々の作品よりは大きい方ではあったのですがそれでも全体を引いてみたときの迫力感が寂しかったのは否めないですね。しかも、ショックだったのは1階の展示スペースと違い、3階は本来ギャラリースペースではないとのことで作品にダイレクトであてるスポットライトがないという事実。
「えええええ~えっ?」
写真でみるとカメラの補正がきいててかなり明るく見えるが実際はかなり暗かったです。(3階スペース)
で下の写真が本来のギャラリースペースである1Fスペース
グループ展というビジネスモデル?
今回のグループ展への勧誘の事務局業務から展示までを担っていた若者は自身も美大に通うインターンの男子とのこと。(彼らは基本アメリカでは学生ビザなのでお金を受け取ることができないボランティアだそうです)
彼にそこを追求した所でどうなることでもなく「責任者でてこ〜い」という昭和な柄でもない、兎に角この時点で既に日本出発の朝からまるっと24時間以上不眠が経過している完徹状態なものだから流石に意識が朦朧とし、思考回路も瀕死寸前でそのままスルー。テンション下がる〜けどニューヨークにいるからあがる〜のプラマイゼロ。
もう、10年若ければ完全噛み付いてましたね。笑
海外でのグループ展参加はありか?なしか?
現地に来て見なければやはりわからないことだらけなわけでこの現実がよくわかっただけでも勉強になり合点がいきました。
にしては授業料が高くついてしまいましたけど。汗。
12月頭からの展示開始でインスタ通してお誘いの連絡を頂いたのが11月中旬という時点でもう既に人数合わせか極端に参加者が少なく、マニュアルに従い慌ててインスタで検索かけて現地のことがわからないけどチャレンジしてみたいと言う弱みにつけ込んで自称アーティスト宛にDM送りまくったんだろうな~とはわかっていましたがなにぶん次回参加のグループ展の出展料に比べると格段に安かったものでそのまま手のひらに乗っかり、逆にこれをニューヨークへ行く大義とさせて頂いた訳です。云々観音。
結論から言うと会ったこともない方からのお誘いで海外グループ展に作品とお金だけ送って展示してもらうと言うことはそれなりの覚悟が必要で僕の感想としては自身のプロフィールを一行増やせただけのこと、あわよくばなんてよこしまな考えはご法度だなと思いました。
そのギャラリーがどんな顧客を抱えててどんな方々が来訪し、絵を見てくれているのかのフォローももあるといいですよね。
僕はまだ現地でこの事実を目の当たりにしたけれど同じグループ展に出展されてた殆どのアーティストの方々はこの状況が全くわからないところもなんか凄く悲しかったですね。
僕が知る限り、だいたいどの団体も日本のアーティストが海外で活躍するための支援プロジェクト的という良心的なキャッチコピーを掲げ、自称アーティストのウブなこころを鷲掴みにするわけですがその割には現地に行ってもウェルカム感が全くなく、やっぱこの冷たさがニューヨークらしいな〜って再確認しました。笑
丁度この時期「情熱大陸」でブルックリンを拠点にアーティスト活動されている松山智一さんがニューヨークの壁画の名所「Bowery Mural」に自身の作品を描きあげるまでの一部始終が取り上げられていましたがインタビューの中で「ほんとニューヨークって冷たいところですよ。でも、その冷たいニューヨークにようやく認められたっていうのは片思いの恋がようやく実った感じ」とコメントをされていたのを思い出しました。
やはり、生半可な気持ちでは海外を相手にできないと痛感した次第です。
松山さん まじリスペクトです。
そう、所詮、他人の褌で相撲をとろうとしている自分自身に問題があり、やはり自分で考え、自分の足で動かないと。と自身を勇気づけ翌日から事前に調べていたソーホーでギャラリーを経営されていたキュレーターの方にアポ無しダメ元で会いに行くのでした〜。
⑤につづく~
関連情報
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